10月のある木曜日、友人と2人で函館へ2泊3日の旅に出ました。車は使わず、新幹線と市電、JRの在来線だけで巡る旅です。函館山ロープウェイが秋の運休に入る少し前の週で、「運休前に夜景だけは見ておきたい」というのが今回いちばんの目的でした。
この記事は、実際に歩いた景色と泊まった宿の現地レポートです。ロープウェイの運休や紅葉の見頃、旅費の目安など、計画の立て方はこちらの計画編にまとめています。
結論:実際に回った2泊3日の行程表
先に、実際の動きをまとめておきます。宿は1泊目を元町、2泊目を函館駅前に分けました。大沼公園へは2日目に函館から日帰りで往復しています。
| 日程 | 動き | 移動手段 |
|---|---|---|
| 1日目 | 函館駅 → 元町の坂さんぽ → 函館山で夕日と夜景 → 夜の元町・ベイエリア | 新幹線・はこだてライナー・市電・ロープウェイ・徒歩 |
| 2日目 | 函館朝市で朝ごはん → 大沼公園さんぽ → 函館駅前の宿でひと休み | 市電・特急北斗・徒歩 |
| 3日目 | 五稜郭タワー・五稜郭公園 → 赤レンガ倉庫でお土産 → 帰路 | 市電・はこだてライナー・新幹線 |
3日間とも天気に恵まれ、2日目の朝に少し雲が出たくらいでした。歩いた距離はそれなりにありますが、市電の停留所がどこも観光地の近くにあるので、車がなくて困る場面は一度もありませんでした。
1日目|元町の坂を歩いて、函館山で夕日から夜景まで
大宮から東北・北海道新幹線「はやぶさ」で新函館北斗へ。はこだてライナーに乗り換えて、お昼すぎに函館駅に着きました。駅前は抜けるような青空で、空気がひんやり澄んでいます。
お昼はご当地バーガーのラッキーピエロへ。何を食べたかは、グルメ編でくわしく紹介します。そのまま市電で十字街まで移動して、元町の散策を始めました。
八幡坂・元町公園・護國神社の赤い鳥居
元町は坂の街です。なかでも八幡坂は、石畳の坂の先に函館湾がまっすぐ見える、函館らしい景色の代表格。坂の下には青函連絡船の摩周丸が浮かび、対岸の山並みまで一望できます。写真で何度も見た景色でしたが、実際に立つと坂の傾斜と海の近さに驚きました。


坂をいくつか上り下りしながら、旧函館区公会堂の前にある元町公園へ。高台にあるので、ここからも港が見渡せます。さらに函館山のふもとへ歩いて、函館護國神社にもお参りしました。参道の赤い大鳥居の向こうに街並みが見えて、ちょっとした展望スポットになっています。


16時に山頂へ|昼の景色・夕日・夜景を一度に見る
護國神社から坂を下りると、すぐに函館山ロープウェイの山麓駅です。ロープウェイは山頂まで約3分。16時ちょうどに山頂に着きました。この日の日没は16時50分ごろ。夜景だけでなく、昼の景色から夕日、夜景へ移り変わるところまで全部見たくて、少し早めに上がることにしていました。
16時の山頂は、まだ明るい午後の景色です。両側を海に挟まれてくびれた函館の街の形が、くっきり見えました。夜景で有名な「あの形」を明るいうちに見ておくと、夜になって光り始めたとき、どこが何なのかがわかって楽しさが増します。


16時50分、函館湾の向こうの山並みに夕日が沈みました。雲の切れ間に夕日が残って、湾の水面がオレンジ色に染まっていきます。この時間の展望台はまだ人がまばらで、手すりの前でゆっくり眺められました。


日が沈んでからの40分ほどで、空はみるみる濃い青に変わっていきます。いちばんきれいだったのは17時35分ごろ。空にまだ青さが残っているうちに街の明かりが一斉に灯って、写真で見ていたとおりの夜景が目の前に広がりました。正直、しばらく言葉が出ませんでした。


ただし、この時間の展望台はかなりの混雑です。17時を過ぎたころから一気に人が増えて、手すりの前は何重もの人垣になりました。夜景をいい場所で見たいなら、日没前に上がって場所を確保しておくのがおすすめです。帰りのロープウェイも列ができていて、私たちは18時すぎに下山しました。


16時に上がって2時間。昼・夕日・夜景の3つを見られたので、早めに登って正解でした。山頂は風が冷たいので上着は必須です。
下山後は夜の元町と赤レンガ倉庫へ
山麓駅から宿のある十字街までは、元町の教会群を通って歩いて戻れます。夜はどの教会もライトアップされていて、昼とはまったく違う雰囲気でした。とくにカトリック元町教会は、白い壁と尖塔が闇に浮かび上がって、思わず足が止まります。


帰り道に、昼間にも歩いた八幡坂をもう一度上から眺めました。街灯が坂を照らして、その先に摩周丸の明かりと港の夜景が見えます。昼の八幡坂もいいのですが、私は夜のほうが好きでした。


そのまま坂を下りて、ベイエリアの金森赤レンガ倉庫へ。倉庫群もライトアップされていて、運河沿いに停まった船のネオンが水面に映っていました。岸壁ではウミネコが1羽、のんびり羽を休めています。夕食はベイエリアの海鮮居酒屋で。このお店のこともグルメ編で紹介します。


2日目|朝市から特急北斗で大沼公園へ
2日目は早起きして、7時すぎに宿をチェックアウト。市電で函館駅前に移動して、駅のすぐそばの函館朝市へ向かいました。朝ごはんは朝市の食堂で海鮮丼。ウニ・イクラ・ホタテがのった丼の話は、グルメ編で写真つきで紹介します。
朝の港には大きなクルーズ船
朝市を出て駅へ戻る途中、港に巨大なクルーズ船が停泊しているのが見えました。駅のすぐ裏の若松ふ頭には大型のクルーズ船が寄港することがあり、この日はちょうどその日に当たったようです。近くまで行ってみると、見上げるほどの大きさで、街並みの中に船が建っているような不思議な景色でした。


特急北斗で約30分|大沼公園駅から湖畔まで
函館駅から特急北斗に乗って、大沼公園駅へ。所要時間は約30分です。特急北斗は全車指定席なので、乗る前に指定席を取っておきました。函館の街を出ると、窓の外はすぐに畑と林の景色に変わります。


大沼公園駅は、湖畔まで歩いて数分という近さです。駅前には名物の大沼だんごのお店もあって、帰りに買って、午後にホテルでいただきました。こちらもグルメ編で紹介します。
大沼の散策路|駒ヶ岳と色づき始めの紅葉
湖畔に出ると、正面に駒ヶ岳がどんと構えていました。とがった山頂が特徴的で、湖に浮かぶ小島と一緒に眺めると、まるで絵はがきのような景色です。紅葉は木によってまちまちで、赤く色づいた木と、まだ青い木が混ざり合う「色づき始め」の時期でした。


大沼公園には、湖に浮かぶ小島を橋でつないだ散策路があります。白いアーチ橋を渡りながら島から島へ歩いていくと、角度が変わるたびに駒ヶ岳の見え方が変わって飽きません。森の中の小道は足元が苔と落ち葉でふかふかで、植物好きとしてはつい立ち止まってしまいました。結局、2時間以上のんびり歩いていました。






湖と森に囲まれて、思いきり深呼吸。自然の中で開放的な気分を満喫できました。
午後は駅前のホテルでひと休み
お昼すぎの列車で函館へ戻り、15時に2泊目のホテルにチェックイン。前日からよく歩いたので、この日の午後は思いきってホテルでのんびりすることにしました。お昼は買ってきたお弁当を部屋で。高層階の窓から函館駅と港を見下ろしながらのお昼ごはんは、ちょっとしたぜいたくでした。
夕方に少しだけ外へ出ると、朝に見たクルーズ船がライトアップされていました。夜の港に浮かぶ白い船体は、昼とはまた違う迫力です。
3日目|五稜郭タワーと赤レンガ倉庫
最終日はホテルで朝食をとってチェックアウト。荷物は午後まで預かってもらい、身軽になって市電で五稜郭公園前へ向かいました。停留所から五稜郭タワーまでは歩いて10分ほどです。
五稜郭タワーから星形を見下ろす
五稜郭タワーの展望台は、地上約90mの高さにあります。窓の下を見ると、星形の五稜郭がそのままの形で広がっていました。地上を歩いているとただの広い公園なのに、上から見ると堀に囲まれたきれいな星形。この形を見るためだけでも、上る価値があると思います。


展望台には五稜郭の模型や、箱館戦争までの歴史を紹介するパネルもあり、足元がガラス張りになった場所もあります。外の景色と展示を見て回って、展望台には40分ほどいました。
五稜郭公園と箱館奉行所
タワーを下りたら、今度は地上から五稜郭公園へ。橋を渡って堀の内側に入ると、松並木の奥に箱館奉行所が建っています。当時の建物を復元したもので、青空の下で見る瓦屋根の姿がとても立派でした。堀沿いの散策路も、桜の木がずっと続いていて歩き心地のいい道です。


最後にベイエリアの赤レンガ倉庫でお土産
五稜郭から市電でベイエリアに戻り、最後は金森赤レンガ倉庫でお土産選び。1日目の夜にも来ましたが、昼の赤レンガは青空とのコントラストがきれいで、また違った表情です。近くの建物の壁を覆うツタも赤く色づいていて、函館の秋を感じました。


実はこの日、お昼は食べていません。ホテルの朝食ビュッフェでつい食べすぎて、昼になってもまったくお腹が空かなかったのです。そのかわり、行ってみたかった塩ラーメンの名店・滋養軒のインスタントラーメンをお土産売り場で見つけたので、買って帰りました。お店の味は、自宅でゆっくり楽しみたいと思います。函館駅へ戻ってホテルで荷物を受け取り、はこだてライナーで新函館北斗へ向かいました。
帰りの新幹線では、ロイズのホワイトチョコがけのポテトチップや、じゃがポックルなど、北海道のご当地お菓子をつまみながらのんびり。窓の外の夕焼けを眺めながら、3日間の旅が締めくくられました。
泊まった宿2軒|元町と函館駅前に分けてよかったこと
今回は1泊目を元町、2泊目を函館駅前と、宿を分けて泊まりました。結果的に、これがとても動きやすかったです。それぞれの宿を紹介します。
1泊目:ラ・ジョリー元町|夜景のあと歩いて帰れる元町の宿
1泊目は、市電の十字街停留所から歩いてすぐのラ・ジョリー元町。函館山ロープウェイの山麓駅や元町の教会群、ベイエリアのどこへも歩いて行ける場所にあります。夜景を見て、夜の元町と赤レンガ倉庫を歩いて、そのまま宿に帰れる。1日目の動きにぴったりの立地でした。
館内はアンティーク調の家具でまとめられていて、落ち着いた雰囲気です。ロビーの一角には飲み物やお菓子が用意されていて、ハロウィンの飾りつけでにぎやかでした。客室はツインで、ソファを置いても余裕のある広さ。窓からは十字街の夜の街並みが見えました。




ラ・ジョリー元町の空室やプランは、じゃらん・楽天トラベルで確認できます。
2泊目:プレミアホテル-CABIN PRESIDENT-函館|駅から徒歩1分の高層ホテル
2泊目は、函館駅から徒歩1分のプレミアホテル-CABIN PRESIDENT-函館。朝市にも駅にもすぐ出られるので、大沼への日帰りと、最終日の帰りの移動がとても楽でした。チェックアウト後に午後まで荷物を預かってもらえたので、最終日も身軽に観光できました。
今回は高層階の部屋で、窓からは函館駅と港、その先に函館山まで見渡せました。高層階の宿泊者が使える最上階のラウンジでは、コーヒーやワインを飲みながらひと息つけます。朝食はビュッフェで、海鮮やご当地ラーメンまで並んでいました。朝食のことはグルメ編でくわしく書いています。




プレミアホテル-CABIN PRESIDENT-函館の空室やプランは、じゃらん・楽天トラベルで確認できます。
旅費|ダイナミックレールパック1泊+自分で1泊で組みました
今回は、2泊目のホテルと新幹線の往復をJR東日本の「びゅうダイナミックレールパック」(以下DRP)でセットにして、1泊目の宿だけ楽天トラベルで自分で予約しました。青森旅行のときと同じ組み方です。
1泊目を別にしたのは、泊まりたかったラ・ジョリー元町がDRPで選べる宿に入っていなかったからです。DRPは連泊もできますが、選べるのはDRPで扱っている宿だけ。夜景の日はどうしても元町に泊まりたかったので、DRPは2泊目の駅前ホテルに使うことにしました。
| 内容 | 予約方法 | 金額(2名) |
|---|---|---|
| 新幹線往復+2泊目のホテル(朝食付き) | ダイナミックレールパック | 100,600円 |
| 1泊目の宿(素泊まり) | 楽天トラベル(セール+クーポン) | 11,288円 |
| 合計 | - | 111,888円 |
1人あたりにすると約56,000円です。このほかに、宿泊税と現地の交通費(市電・特急北斗・ロープウェイ)、食事代がかかりました。
注目してほしいのはDRPの部分です。DRPは1人あたり50,300円。大宮〜新函館北斗の新幹線を通常の運賃で往復すると1人44,940円なので、差額の約5,400円で朝食付きのホテル1泊がついてきた計算になります。新幹線で行く旅なら、1泊だけでもDRPにしておくと宿代がかなり浮きます。
なお、金額は2026年9月に予約した時点のものです。DRPは時期や空き状況によって価格が変わるので、予約するときに最新の価格を確認してください。DRPの仕組みや、どんなときにお得になるかは、こちらの記事にまとめています。
行ってわかった、車なし函館のコツ
計画編では「大沼で1泊、函館市街で1泊」という組み方をおすすめしていました。でも実際には、市街に2泊して大沼は日帰りにしました。行ってみてわかったことを3つまとめておきます。
- 函館山は日没の50分前に上がる:夕日と夜景の両方を見るなら、日没の50分ほど前に山頂へ。夜景がいちばんきれいなのは日没から40〜50分後で、そのころには展望台が混み合います。
- 宿は「元町」と「駅前」に分ける:夜景の日は元町に泊まれば、夜の元町を歩いてそのまま帰れます。朝市・大沼・帰りの移動がある日は駅前が便利です。宿の場所を変えるだけで、移動のムダがかなり減りました。
- 大沼は函館から日帰りで十分:特急北斗なら函館から約30分。午前中に湖畔を歩いて、お昼すぎに函館へ戻れます。ただし特急も普通列車も本数は多くないので、行きと帰りの列車を先に決めてから散策の時間を組むのがおすすめです。
まとめ|車なしでも函館は夕日から夜景まで満喫できる
3日間とも天気に恵まれて、大満足の函館旅でした。個人的なベスト3は、①函館山で見た夕日から夜景への移り変わり ②駒ヶ岳を眺めながら歩いた大沼の散策路 ③ライトアップされた夜の元町です。どれも、市電とJRだけで無理なく回れました。
函館山ロープウェイは毎年秋に運休期間があるので、10月に行く方は日程の確認を忘れずに。運休の時期や登山バスでの代わりの行き方は、計画編にまとめています。旅の食べ歩きは、グルメ編で紹介する予定です。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ごまもちブログ 
