多肉植物の台風対策|取り込む株の優先順位と雨あとのケア

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秋の天気予報で台風の進路を見るたびに、ベランダの多肉植物が気になります。夏を越えたばかりの株はまだ本調子ではなく、そこへ暴風と横殴りの雨が来るのですから、心配になって当然です。

この記事では、台風が来る前にやること、全部は取り込めないベランダでどの株を優先して避難させるか、そして台風が過ぎたあとに何を見ればいいかを順番にまとめました。あわせて、9月から10月にかけての秋の長雨についても触れています。屋外で多肉植物を育てている方の参考になればうれしいです。

台風が来る前にやること早見表

先に全体の流れをまとめます。細かい理由はこのあと順番に説明しますが、この表のとおりに動けば大きな失敗は避けられます。

タイミングやること理由
2〜3日前水やりを止める土が乾いていれば、雨に当たっても受けるダメージが小さい
前日取り込む株を選んで室内か軒下へ全部は入らない。優先順位で決める
前日残す鉢は棚から下ろして床にまとめる落下と転倒を防ぐ
前日遮光ネット・支柱・空鉢を片づける飛ぶと危ない。階下や近隣への被害につながる
通過後すぐ雨が上がったら早めに見る水が残ったまま晴れると一気に蒸れる
3日〜1週間後下葉の状態をもう一度確認する蒸れの影響は数日おくれて出てくる
台風接近時にやることの流れ

この中でいちばん見落とされやすいのが、いちばん上の「水やりを止める」です。台風が来るとわかった時点で、水やりの予定は一度白紙にしてしまってかまいません。

多肉植物は雨に当たっても大丈夫?|梅雨の雨と台風の雨は別物

まず前提として、多肉植物は雨に当たっただけで枯れる植物ではありません。屋外で育てていれば、当然そこそこの雨には当たります。それで毎回枯れていたら、ベランダ栽培は成り立ちません。

問題になるのは雨そのものではなく、雨のあとに乾かないことです。そして「乾かない」の中身が、梅雨と台風ではまるで違います。

  • 梅雨の雨:弱い雨が何日も続き、土がずっと湿ったまま。じわじわ蒸れて、気づいたときには根が傷んでいる
  • 台風の雨:短時間に大量の雨が横から叩きつける。鉢の中が一気に飽和し、葉の重なりにも水が入り込む

台風のやっかいなところは、そのあとです。低気圧が抜けると、たいてい急に晴れて気温が上がります。びしょ濡れの株が高温にさらされる——これが、いわゆる蒸れがいちばん起きやすい状況です。

とくにエケベリアのように葉がロゼット状に密に重なる品種は、中心部に水が残りやすく、そこから傷みが始まることがあります。細葉のセダム類に比べると、雨のあとの水切れが悪いのです。

どのくらいの雨から気にすればいい?

明確な基準があるわけではありませんが、わたしは次のように考えています。

  • 通り雨・にわか雨:気にしなくてよい。翌日晴れるなら、むしろ土のホコリが流れて風通しが良くなる
  • 丸一日の雨:そのあと晴れるなら問題は少ない。翌日も曇りが続くようなら軒下へ
  • 台風・警報級の大雨:ここからは対策の対象。風もセットで来るため、雨だけの日とは別扱いにする

判断の軸は「雨の強さ」より「そのあと乾くかどうか」です。降ったあとの天気を見て決めると、迷いが減ります。

なお、梅雨どきのじわじわした湿気への対策は、こちらの記事にまとめています。同じ「雨」でも打ち手が変わるので、時期に合わせて読み分けてみてください。

タイトル 多肉植物の梅雨対策|蒸れ・徒長・根腐れを防ぐ管理のコツ

全部は取り込めない|避難させる株の優先順位

ベランダで多肉植物を育てていると、鉢の数はいつのまにか増えています。台風のたびに全部を室内へ運ぶのは、正直なところ現実的ではありません。

そこで、「弱っている株」と「軽い株」から先に避難させると決めておくと迷いません。わたしなりの優先順位は次のとおりです。

優先度どんな株理由
最優先葉挿し・カット苗のトレイ軽くて飛ぶ。発根前は濡らしたくない
最優先植え替えたばかりの株根がまだ張っておらず、過湿にも転倒にも弱い
夏にダメージを受けた株根が減っていて、過湿に耐える力が落ちている
葉が密に重なるエケベリア中心に水が残り、乾きにくい
背が高い株・大きな鉢倒れやすい。ただし重さがあるぶん飛びにくい
細葉のセダムなど水を弾きやすく、雨のあとも乾きが早い
取り込む順番の目安(わたしの基準)

ポイントは、大事にしている株から運ぶのではなく、弱っている株から運ぶことです。お気に入りの大株は、たいてい根がしっかり張っていて重さもあるので、実は多少の雨風には耐えてくれます。逆に、買ってきたばかりの小さな苗や葉挿しトレイは、風で簡単に飛びます。

取り込んだ株は室内のどこに置く?

意外と悩むのが置き場所です。とりあえず玄関や浴室に、と考えがちですが、多肉植物にとってはあまり良い環境ではありません。

  • できれば窓際:短期間でも光はあったほうがよい。カーテン越しで十分です
  • 玄関・浴室は避ける:暗いうえに湿気がこもりやすく、蒸れ対策として逆効果になります
  • 新聞紙やトレイを敷く:鉢底から水が出て床が汚れるのを防げます
  • 台風が過ぎたら早めに外へ戻す:室内が長引くほど、日照不足で株が間延びしていきます

1〜2日なら影響はほとんどありませんが、雨が続くからと1週間置きっぱなしにすると、目に見えて徒長してきます。間延びしてしまったときの仕立て直しは、こちらにまとめました。

多肉植物の徒長対策|間延びした株の仕立て直しと予防のコツ

わたしの場合、台風の予報が出たときに最初に動かすのはハンギングの鉢です。吊るしてある鉢は風で大きく振られて、壁にぶつかったり落ちたりしやすいので、真っ先に外して下ろします。

そのあとが遮光ネットです。基本はしっかり固定し直しますが、風が強くなりそうな予報のときは思い切って外してしまいます。張ったままにしておくと、ネットごと持っていかれるのが怖いからです。この2つを先に片づけてしまえば、あとは棚の鉢を寄せるだけなので、作業はずいぶん楽になります。

取り込めない株の風対策|倒れる・飛ぶを防ぐ

ベランダに残す鉢は、風で動かない状態にしておきます。手順は次のとおりです。

  1. 棚から下ろして床に置く:高い位置にあるほど風を受けます。落ちたときの被害も大きくなります
  2. 鉢どうしを寄せて隙間をなくす:トレイやコンテナに詰めてしまうのがいちばん確実です。鉢が単独で立っていると転がります
  3. 壁際や室外機の陰へ寄せる:風が直接当たらない場所を選びます。ベランダの手すり側はいちばん風が強く当たります
  4. 軽いプラ鉢はコンテナに入れる:小さめのプラ鉢は本当によく飛びます。重い鉢で囲うだけでも違います
  5. 遮光ネットは外すか、たたむ:張ったままだと帆のように風を受けて、支柱や固定金具ごと持っていかれます

5番目の遮光ネットは、夏のあいだ張りっぱなしにしていると忘れがちです。9月はまだ日差しが強く外したくない時期ですが、台風のときだけは話が別だと考えています。遮光ネットの選び方や張り方はこちらにまとめました。

多肉植物の遮光ネット|失敗しない選び方と夏のベランダ管理のコツ

それから、これは植物の話を越えますが——ベランダから物が落ちると、階下や通行人に危険が及びます。空鉢、スコップ、支柱、ラベルのような小物こそ飛びやすいので、多肉の鉢と一緒に片づけておくと安心です。

ごまもち
ごまもち

空の鉢がいちばんよく飛びます。
植物より先に、小物を片づけてしまうのがおすすめです。

前日に水をやってしまったときは

予報が変わって、水やりの直後に台風が来ることになる——これはよくあります。そのときは、雨に当てない側に全振りしてください。

土がすでに湿っている鉢に、さらに大量の雨が入ると、鉢の中は完全に水浸しになります。優先順位を無視してでも、水をやった鉢から先に軒下へ移すのが確実です。移す場所がないときは、鉢を横に寝かせて雨の入る面積を減らす手もあります。株が抜けないよう、寝かせるときは支えを添えてあげてください。

台風が過ぎたあとにやること|雨に当たった株の見方

台風対策の本番は、実は過ぎたあとです。雨が上がったら、できるだけ早くベランダを見にいきます。

  • 葉に溜まった水を落とす:鉢を軽く傾けるか、そっと息を吹きかけて飛ばします。ロゼットの中心はとくに念入りに
  • 風の通る場所へ戻す:気温が上がりきる前に済ませたい作業です
  • 倒れた株を起こす:土が流れていれば足します。根が露出したままだと乾きすぎます
  • 折れた葉・傷んだ葉を取る:傷口が濡れたままだと、そこから腐ることがあります
  • 数日は水をやらない:鉢の中はたっぷり濡れています。表面が乾いていても中はまだ湿っています

くり返しになりますが、いちばん怖いのは台風一過の晴天です。濡れた株がそのまま高温にさらされると、数日後に下葉がぶよっとしてくることがあります。

3日後・1週間後にもう一度見る

台風の翌日に無事だったからといって、安心するのはまだ早いです。蒸れの影響は、数日おくれて出てきます。

  • 3日後:下葉が透けていないか、触ってぶよつきがないかを見る
  • 1週間後:株元を指で軽く押して、ぐらつきがないか確かめる
  • いずれか気になったら:鉢から抜いて根を見る。様子見の先延ばしがいちばん危険です

見分け方と、そこからの手当ては根腐れの記事にまとめてあります。わたしも過去に、大切にしていたロメオルビンを根腐れで失いました。早く気づけるかどうかで、その後がまるで変わります。

アイキャッチ画像 多肉植物の根腐れ|失敗から学んだサインの見分け方と復活の手順

秋の長雨が続くとき|夏越し明けの株がいちばん危ない

台風と並んで、9月から10月にかけて気をつけたいのが秋の長雨です。秋雨前線が居座ると、曇りと弱い雨が何日も続きます。

この時期がやっかいなのは、株の側が弱っているところへ来るからです。夏を越えた多肉植物は、暑さのあいだに根の一部を失っていることが少なくありません。見た目は元気そうでも、水を吸う力そのものが落ちています。

そこへ日照の少ない雨の日が続くと、鉢の中の水がなかなか減りません。梅雨と似た状況ですが、株の体力が違うぶん、秋のほうが崩れやすいと感じています。

  • 雨が続く予報のあいだは、水やりをきっぱり止める
  • 軒下や雨の当たらない場所へ移せるものは移す
  • 鉢を床に直置きせず、少し浮かせて底の通気をつくる
  • 晴れ間が出たら、まず風に当てる

毎回移動させるのが大変なら

雨のたびに鉢を運ぶのは、正直しんどい作業です。鉢数が増えてきたら、常設の雨よけを作ってしまうほうが結局ラクだと思います。

ベランダなら、上の階のベランダが庇(ひさし)の代わりになる位置に棚を寄せるだけでも、当たる雨の量はかなり減ります。それでも足りなければ、透明の波板を棚の上に渡す方法があります。大がかりな設備は必要ありません。雨は防ぐが、風は通す——これが多肉植物にとっての理想形です。ビニールで四方を囲ってしまうと今度は蒸れるので、横は開けておいてください。

夏越しのあとの立て直し方は、秋の管理の記事でくわしく書いています。長雨の対策とセットで読むと、9月にやることが見えてくると思います。

多肉植物の秋の管理|夏越し後の復活ケアと植え替えのコツ

正直に書くと、雨に当たってしまった株は、わたしはそのままにしています。降っている最中に慌てて拭いたり動かしたりはしません。その時間にできることは、あまり多くないと思っています。

手を動かすのは翌日です。晴れたら、まず遮光ネットを戻します。濡れたままの株に強い日差しが当たるのがいちばん怖いので、ここだけは急ぎます。そのうえで風通しのいい場所へ鉢を移して、できるだけ早く乾かすようにしています。雨そのものより、そのあと乾くまでの時間をどれだけ短くできるかのほうが大事だと感じています。

ごまもち
ごまもち

秋は「やらない」が正解の日が多い季節です。
水をやりたくなる気持ちを、天気予報で抑えています。

まとめ|台風対策で押さえる3つのこと

  • 来るとわかったら水やりを止める。土が乾いていれば被害は小さくて済む
  • 全部しまおうとしない。弱っている株と軽い株から順に避難させる
  • 過ぎたあとに水を抜いて風を通す。台風一過の晴天がいちばん危なく、影響は数日おくれて出る

台風の日は、どうしても気をもみます。でも前日の30分でやれることは意外と多く、そこで手を打っておくと、通過後の被害はかなり変わります。今シーズンもまだ台風の可能性は残っていますから、次の一つが近づく前に、ベランダを見渡してみてください。

ごまもち
ごまもち

最後までお読みいただきありがとうございました。