八甲田の高山植物と奥入瀬渓流をめぐる青森2泊3日

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7月のある金曜日、友人3人で青森へ2泊3日の旅に出ました。行き先は八甲田と奥入瀬渓流。車は使わず、新幹線とバス、タクシー、宿の送迎だけで巡る旅です。

この記事は、実際に歩いた景色と泊まった宿の現地レポートです。行程の組み方・乗り継ぎ・費用は、こちらの計画編に詳しくまとめています。

八甲田・奥入瀬・十和田湖を車なしで巡る2泊3日プラン

1日目|八甲田ロープウェーで山頂へ、高山植物の空中さんぽ

新青森駅からタクシーで約1時間、八甲田ロープウェーの山麓駅へ。ロープウェーは約10分の空中散歩で、標高1,300mを超える田茂萢岳(たもやちだけ)の山頂公園駅まで一気に運んでくれます。

ゴンドラの窓の下には、見渡すかぎりの樹海が広がっていました。この日はあいにく雲が厚めでしたが、それでも「緑の海」と呼びたくなるスケール感は十分。晴れた日には青森市街や陸奥湾まで見えるそうです。

八甲田ロープウェーから見下ろす樹海と山並み
ゴンドラから見下ろす樹海。曇りでもこの奥行きです

山頂の散策路「八甲田ゴードライン」で出会った花

山頂公園駅の周りには「八甲田ゴードライン」という散策路が整備されています。湿原の木道を歩く周回コースで、短めの30分コースとぐるっと回る60分コースがあり、7月は高山植物がいちばんにぎやかな季節です。

いちばん印象に残ったのは、厚い緑の葉の間からのぞくシャクナゲの淡いピンクでした。株はどれも背が低く、風の強い山頂で身を縮めるように咲いています。普段ベランダで多肉植物を育てている身としては、厳しい環境ほど姿が引き締まるのは高山植物も同じなのだと、妙に納得してしまいました。

八甲田山頂に咲くシャクナゲの淡いピンクの花
葉の間から顔を出すシャクナゲ。風に耐える低い株姿です
八甲田山頂の黄色い高山植物の花
タンポポによく似た黄色い花も、あちこちで揺れていました
ゴードラインの木道。緑に飲み込まれそうな道が続きます
ごまもち
ごまもち

風に耐えて低く咲く姿、うちのベランダの多肉にも見習ってほしい健気さでした。

ホテル城ヶ倉|山の一軒宿と城ヶ倉大橋の夕さんぽ

1泊目は八甲田の山あいに建つ一軒宿、ホテル城ヶ倉。名物は渓流沿いの露天風呂です。すぐ近くには城ヶ倉渓谷にかかる城ヶ倉大橋があり、上路式アーチ橋としては日本一の長さ(全長360m)。橋の上から高さ122mの渓谷を見下ろせます。

夕方に歩いた城ヶ倉大橋は、渓谷の底まですっと見通せて、正直、足がすくみました。夕食は青森の食材を使った会席で、地元のクラフトビールやりんごのドリンクも楽しめます。ひとつ残念だったのは、名物の渓流露天がこの日は熊出没の影響で終日閉鎖されていたこと。こればかりは山の一軒宿ならではの事情です。渓流露天が目当ての方は、公式サイトで営業状況を確認してから訪れると安心です。

城ヶ倉大橋と城ヶ倉渓谷の眺め
夕方の城ヶ倉大橋。全長360mの上路式アーチ橋は日本一です

ホテル城ヶ倉の空室やプランは、じゃらん・楽天トラベルで確認できます。

2日目|十和田湖・乙女の像と、奥入瀬渓流の滝さんぽ

2日目はJRバス「みずうみ号」で十和田湖へ。八甲田の山道を抜けて約1時間45分、湖畔の休屋(やすみや)に到着します。車がなくても、このバス1本で八甲田から十和田湖まで移動できるのは本当にありがたいです。

乙女の像と十和田神社

十和田湖のシンボル、高村光太郎作の「乙女の像」へは湖畔を歩いて向かいます。像の手前の杉並木を入ると、パワースポットとしても知られる十和田神社があります。

この日の湖は、くもり空を映した静かな銀色でした。乙女の像は思っていたより大きくて、湖を背にすると絵になります。十和田神社の参道は杉の巨木と苔に包まれて、空気がひんやり。パワースポットと呼ばれる理由がわかる静けさでした。御朱印もいただきました。お昼は湖畔で鮎の塩焼きを1本。この話は、ご当地グルメ編で詳しく紹介します。

十和田湖畔に立つ乙女の像
湖を背に立つ乙女の像。くもりの日は銀色の湖面になります

銚子大滝から雲井の滝へ|苔と滝の渓流さんぽ

午後はいよいよ奥入瀬渓流へ。バスを上流の銚子大滝で降りて、そこから下流の雲井の滝まで、渓流沿いの遊歩道をのんびり歩きました。「バスで上がって、歩いて下る」のが車なし旅の定石です。

最初に迎えてくれる銚子大滝は、幅いっぱいに水が落ちる堂々とした滝。雨上がりで水量が多く、近づくと水しぶきが霧のように漂っていました。そこから先は、苔むした岩と倒木、白く流れる瀬が延々と続きます。途中一部の区間が通行止めで車道に迂回しましたが、歩くのに支障はありませんでした。写真を撮りながらのんびり歩いて、雲井の滝のバス停まで約2時間半。時間に余裕を持っておくのがおすすめです。

銚子大滝。雨上がりは水量が増して迫力が出ます
絹のように流れる瀬。雨の奥入瀬は水の表情が豊かです
奥入瀬渓流の苔とシダ
足元は苔とシダの世界。雨に濡れて緑がいちだんと濃くなります

奥入瀬渓流ホテル|渓流和室と岡本太郎の暖炉

2泊目は星野リゾートの奥入瀬渓流ホテル。渓流沿いに建つ、奥入瀬観光の拠点になる宿です。ラウンジには岡本太郎の巨大な暖炉「森の神話」があり、窓の外には渓流の緑が広がります。

館内はどこにいても窓の外が緑で、渓流和室からの眺めもまさに「森の中」。渓流さんぽで少しくたびれた体は、そのまま温泉へ。露天風呂からは眼下に渓流の流れが見えて、湯につかりながら森林浴もできる、すばらしいお風呂でした。夕食は青森りんご尽くしのビュッフェで、焼きたてのアップルパイまで並びます。同じ星野リゾートでも、「界」の静かな和の空気とはひと味違う、森のリゾートという言葉が似合う宿でした。

窓一面の緑。苔の庭を眺めてぼんやりする時間が最高でした
奥入瀬渓流ホテルのロビー
吹き抜けのロビー。奥に岡本太郎の暖炉「森の神話」が見えます

奥入瀬渓流ホテルの空室やプランは、じゃらん・楽天トラベルで確認できます。

3日目|朝の奥入瀬がいちばん美しい

最終日は朝食前後にホテル周辺の渓流を散策しました。朝の奥入瀬は光が低く差し込んで、昼間とはまったく別の表情になります。この時間を歩けるのが、渓流沿いに泊まる最大のぜいたくだと思います。

朝8時の遊歩道は人がほとんどいなくて、聞こえるのは水音と鳥の声だけ。前日までの雨で苔がしっとり濡れて、岩の上の緑がいちだんと濃く見えました。ひんやりした空気も含めて、この30分あまりは今回の旅のハイライトだったと思います。散策路の奥に見えるのが朝食会場。窓際の席で、緑を眺めながらいただく朝ごはんもすばらしい時間でした。

朝の散策路から見た奥入瀬渓流ホテルの朝食会場
朝の散策路から。奥に灯る明かりが朝食会場です

雨の朝の楽しみ|苔玉づくり体験

この日は散策のあとから本降りの雨に。送迎バスの出発まで時間があったので、9時からの「苔玉づくり」体験に参加しました(約45分)。ちいさな苔玉に目玉のパーツをつけると、なんとも愛嬌のある仕上がりに。雨で外に出られない朝でも楽しみが用意されているのは、森のリゾートならではだと思います。

苔玉づくり体験で作った目玉つきの苔玉
完成した苔玉。目玉をつけたら森の生きものになりました
ごまもち
ごまもち

山の花から渓流の苔まで、植物好きにはずっと目が忙しい旅でした。苔玉はいまも元気です。

チェックアウト後はホテルの送迎バスで青森駅へ。お昼は地元で人気の食堂に並んで、ほたて料理を堪能してから帰路につきました。食べたものは、ご当地グルメ編で詳しく紹介しています。

まとめ|車なしでも八甲田と奥入瀬は満喫できる

率直に言って、大満足の2泊3日でした。個人的なベスト3は、①朝の奥入瀬渓流の静けさ ②八甲田山頂で出会った高山植物 ③2軒の宿の温泉と食事。天気は3日間とも不安定でしたが、雨の奥入瀬は苔と水の表情が濃くなるので、むしろ当たりだったと思っています。

行程・乗り継ぎ・費用の詳細は計画編に、星野リゾートの「界」シリーズの選び方はまとめ記事にそれぞれ整理しています。あわせて参考にしてみてください。

八甲田・奥入瀬・十和田湖を車なしで巡る2泊3日プラン 星野リゾート「界」全国まとめ|特徴と選び方を一覧で解説
ごまもち
ごまもち

最後までお読みいただきありがとうございました。